思いのままの色

変な夢と、淑女のたしなみについて

サン・サーンス

音楽といえばほとんどクラシックばかりを聴くが、ラジオのクラシック番組なんてちょうどいいものが世の中にあって、それはありがたい。

ちょうどいいなんて書くと語弊があるが、知らない音楽はまだたくさんたくさんあって、私にとっては新しく胸に響く音楽に出合える、とてもいい機会をもらっていると思っている。



それに関する最近のメモ書きには、こう残してある。


「狂気のピアノ

サン・サーンスピアノ協奏曲 第二番ト短調

33歳の時に三週間で作曲。」



初めて聴いたその曲に、すっかり動けなくなった。
特定の宗教に入れ込むわけではないが、神話や創世記さながらの、激しさと厳しさのつまった音楽に、何だか打ちのめされるようだった。


現代に演奏されている方ももちろんすごいが、あれをたったの三週間で作り上げるなんて、サン・サーンスという人は一体どのような顔つきと眼差しをもって生きていたのだろうと、そのことばかりが気になった。


何かを作り上げるその集中力と、たしかな知性、情熱に、すっかり心を奪われて…

それでも私自身は一先ず目の前のことをやるしかないんだけど、とてもあんな風になりたいとは思えない壮絶さの、あれは一つの物語だった。



夢佳