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思いのままの色

© 2017 思いのままの色 夢佳 「音と香りは夕暮れの大気に漂う」

ねこの呼吸

飼い猫がかわいい。
正確には、飼い猫もかわいい。


うちのかわいいねこちゃんは、人の膝の上に居座るのが得意だ。
こちらに向けている背中までかわいいのだから、全く困ったものだ。

よほど急ぎの用事ではない限り、例えばこれから出掛けるとかその他、ねこの寛ぎを優先させてしまう。


たまに頭やら喉やらを撫でると、いかにも気持ちよさそうで、目もキラキラしていて、その目を見つめている時に指先や近付けた顔に感じるねこの鼻息が、なんともなんとも愛らしい。


人よりもはるかに小さなねこの確かな命を感じる。


ずっとこの鼻息の加減を覚えていたい。それはつまり、ずっと、長生きしてほしい。


子どもの頃に飼っていたねこは、今のように完全室内飼いではなく、外と中を自由に行き来させていたこともあり、老体になってそれからを知らない。
出掛けたと思ってそのまま、ついぞ家には帰ってこなかった。
きっと今はもう天国にいるのだと思う。



それで、ねこが年老いてからその後を知らない。
これからいずれ知ることになるが、今はまだ想像もつかないほど、元気いっぱいでいてくれる。
嬉しい。



今日も私の膝の上ですやすやと寝息を立てるあのねこ。
切なくて、つい背中を撫でた。



夢佳