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思いのままの色

© 2017 思いのままの色 夢佳 「音と香りは夕暮れの大気に漂う」

5月はシャツの季節、ハンカチは毎日

久しぶりにシャツのアイロン掛けをした。


冬場はほとんどニットばかりを着ていたため、アイロンの出番はほぼハンカチのみになっていたが、そろそろシャツの気分!
ということで、最近はニットの着用回数を減らし、少しずつシャツにお出まししてもらっている。


ニットの時のお手入れといえば、下着のおかげで直接肌に触れないこともあり、洗濯の回数は極力減らして、普段は着用後に水を入れた霧吹きでシワのつきやすい肘や裾の辺りを重点的に湿らせて乾かしていた。

ところが、シャツさんはですね。
皆さんご存知の通り、同じように霧吹きで湿らせたところで、シワのついたところはやはりシワになったままなのでした。


一応試してはみたが、シャツさんはそんなに甘くない。
諦めて洗濯をし、アイロンを掛けることにした。


ハンカチもそうだが、シャツへのアイロン掛けも、洗濯が済んで生地が湿った状態のまま始めている。
一度乾かしてから霧吹きまたはアイロンのスチーム機能を使ってもいいのだが、そこは生来の面倒くさがりが発動して、わざわざ湿らせる手間を省くようになった。


何となくだが、シャツもハンカチも、ピシッとした状態で干されているのを見ると、何だかすごく大事にされているように見えてホッとするのだった。
後が楽だしね。乾いて仕舞うだけの手間で済むもの。


ところで、以前、ジェットタオルの普及により(?)ハンカチを持たない人が増えているというネットのニュース記事を見たが、ハンカチが好きな昭和生まれとしては、時代というのはいつの間にか変わっていくものなんだなと少し寂しくなってしまった。


私のハンカチ歴は、まあ歴史という程のものではないけれど、大人になってから記憶にあるだけでそれなりの数になると思う。


昔仕事でお世話になった憧れの先輩が、ハンカチは一つ○○(任意)のものとブランドを決めておくといいよと教えて下さって、しばらくはそれを通していた。

確かに雰囲気も統一されやすく、集める楽しみもあり、何より毎日目にも手にも触れるものなので、そこに多少の思い入れを持って選んでいるというのが、何だか大人になったような、少しその先輩に近付けたような気がして、嬉しくもあった。


それが、年月を経て好みも変わり、今ではすっかり麻のハンカチを主として使うようになった。
それも無地でレースも刺繍も入れない、ずいぶんと素っ気ない物。

けれど、初めて麻のハンカチを使った時の、あのひんやりとして張りのある肌触りにすっかり魅了されてしまい、人から頂いたもの以外は、つまり自分で買うものは、華やかなものは手に取らずに必ず麻のものを選ぶようになった。


朝起きて香水を決めて、その香水瓶の蓋を拭うのに、その日使うハンカチを用いる。
すると、鞄から取り出す度に仄かに美しい香りが広がり、それだけで心が落ち着くような気がする。


こんなのは完全に趣味だし、こういうことをこそ趣味と言うのではなかろうかと思う。



久々のシャツへのアイロン掛けは、以前よりも少し時間が取られたが、身綺麗にする元気があるのはいいことだ、これも自分への励みになる。

身だしなみを整えるのは世間に出ていく時の責任でもあるし、5月の爽やかさにもぴたりと当てはまるのではないでしょうか。



そろそろ藤の花が見頃でいいですね。



夢佳