思いのままの色

© 2017 思いのままの色 夢佳 「音と香りは夕暮れの大気に漂う」

フルート再開

この間、たまたま時間ができて、久しぶりに楽器に触ることができた。

私のフルート、記憶が正しければ、ほとんど一年振りに吹いた。


昨年はおよそ五年のブランクを経てフルートを吹いたが、案の定、音なんて出ない。
持ち方も運指も覚えているのに、口の感覚が全く訳が分からなくなっていて、せっかく自分の楽器があるのだもの、無理矢理にでも続けていればよかったとひどく後悔した。


違う夢を追っていてフルートの練習どころではなく、フルートを置物にしておくのも可哀想で、ちょうど楽器を借りたいという人に縁があり貸していたのだったが、何とか時間を捻出して、どのような形であれやり続けていればよかった。


以前も大して腕が立った訳ではないが、確実に下手になったよ!


でも仕方ない、これからまた地道に練習するのだ。


それで、消失していた口の感覚を、随分と昔に習った時のことを何とか再現しようとして奮闘していたのだが(昨年)、てんで上手くいかなかった。その絶望と後悔に負けてしばらくまた楽器を触らずにいたが、楽器はあるし、たまたま時間もできた。


時間ができて、目の前に楽器がある。
そのおかげで、ちょっとだけ、吹いてみようと思えた。


楽器をケースから出す時って、もう何度目なのか、未だにどうしてもドキドキする。
無事かな、元気かな、と確認するような心地。


ピカピカのままだった、フルート。
ごめん、お待たせ。


今回はまた以前のようにやろうとするのは止めた。
ブランクの埋め方を調べて、くちびるの形は人それぞれ、私が音を出しやすいやり方を見つければいいと、一つの答にたどり着く。

あの人やあの人のような口許になりたいと、一生懸命力を込めていたくちびるを脱力させて、やさしく歌口(息を吹き込むところ)に吹き込んだ。


すると、余分な息の漏れがかなり減って、昨年よりもマシに感じられる。
吹いた時のあの音に手応えのある感覚も少しある。
これはこのやり方を続けて掴んでみるといいかも知れない。


というわけで、すっかり気を良くして、使える時間いっぱいまでフルートの練習をした。そのほとんどをロングトーンに費やす。


またどこかで吹ける日が来る時まで、気長に、フルートを続けることにする。